CASE1-(7)

「総太おじさん、なにか気づいたの?」


「こ、これ……」


 警部補が指差したのは、被害者の手先が大きく写し出されている写真。


「爪が短い! それもただ短いだけじゃない。深爪すぎるほどに、だ。しかも、ちゃんとヤスリを使っている……。そうでしょう、先生!?」


 興奮を隠し切れない総太おじさん。


「そうだ。よくわかったな。さすが警部補なだけはあるな」


 総太おじさんの回答にご満悦の百次郎くん。


 僕にはやっぱり分からない。


「どういうこと? 深爪してるとレズなの?」


「大人になれば分かる」


「そういうことだ」


 騙されてなるものか。


 この人たちの理屈だと、爪が短くて貧乳でオシャレじゃない女性は全員レズってことになってしまう。……でも、なんだろう。ここまではっきりと言われると、自分が間違ってるんじゃないかという気になってきて怖い。


「被害者は同性愛者だった……。ということは、今まで捜査線上に上がらなかった人物が容疑者ということになるなぁ」


 総太おじさんは困ったような顔で頭をペンで掻く。


「視点をがらりと変えないといけないからな」


「そうですねえ。ううむ、また一から聞き込みをやり直さないと……」


「ふっ、まあ、そんな大変なことでもあるまい。俺様がいるんだからな。プロファイリングを使えばターゲットは、だいぶ絞り込めるはずだ」


「確かに!」


 確かに、じゃねえよ。


「俺様のプロファイリングさえあれば、例えどんな事件であっても必ず事実へと近づける」


「おお、心強い! ……ということは犯人のプロファイリング結果はもう出てるってことですか?」

 


「もちろんだ」

 

 

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